~質屋からATM誕生まで~キャッシング研究の歴史

現在では、テレビをつけるとさまざまな消費者金融のCMが流れています。数十年前の貸金業者にはあまり良いイメージがなく、借金をすること自体「みっともない事」のように言われていたのを思い出すと、短い期間でずいぶんイメージアップしたなと感じます。

そもそもお金を貸すという商売はどこから発生したのでしょうか。質屋700年と呼ばれ、その起源は鎌倉時代に誕生した庫倉(くら)に遡ります。江戸時代に入ると「質屋」の名称に変わり、古着や古道具を担保に金貸しをしていました。江戸時代には火事が多かったため、焼失するのを恐れて質屋に預けておくという人も多かったようです。

戦前~戦後には不動産や貴金属ほか、布団など当時の庶民には高価だった物が担保として預けられるようになりました。しかし時代の流れを受けて、質屋にあるものが売れない「質屋流れ」が起きるようになり、質屋業は一気に衰退していきます。現在ではチケットやブランド品の買取が質屋業として残っています。偽造されたブランド品や盗品などの買取を防ぐため、目の肥えた担当者の育成が必要となっています。

質屋業衰退の一方で、1960年には大阪で新しい貸金業態が誕生しました。それまで家財道具など、物を担保にお金を借りていたのが「必ず返すから信用してほしい」という消費者のニーズに応える形で、無担保ローンが始まったのです。当時のサラリーマンに対する信用の高さから急激に拡大し、サラリーマン金融を略して「サラ金」と呼ばれました。1996年には金融ビッグバンにより銀行業務の規制緩和が起き、業務の拡大とともに新しい金融商品が開発されました。その結果、銀行も無担保ローンに乗り出します。これはサラ金との競争を生み、それまで暗いイメージだった貸金業の質を上げることにつながりました。

一方で法外な金利や厳しい取立てで苦しむ人が急増し、社会問題に発展していたことを受け、2010年には改正貸金業法が制定されました。銀行以外の消費者金融に対する総量規制により原則として年収の3分の1までしか借入できなくなる一方で、銀行のローンは年収関係なく借入れができるので、ますます競争が激しくなり、現在はどの金融会社もイメージアップに努めています。

このように貸金業の歴史は古く、今も昔も人々が生活のさまざまな場面でお金を必要としていたことがわかります。ただし借金には必ず返済のリスクがあり、貸金業法の改正以降も未登録のヤミ金による違法な取立てや過払い行為が続いており、さらなる法改正が必要と言われています。これからも貸金業の歴史は更新されていくことでしょう。

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